eriko's diary
2019.08.16 Fri

藤森先生とのお店づくり〜vol.1〜

「e.」のブランドオープン、そして、「e.本店」のオープンまで残り5日間!

今日から、数回に分けて、「e.本店」の設計を担当してくれた
世界的に有名な建築家・藤森照信先生との出会いから、実際にお店をつくるまでのストーリーをお伝えします。

……………………

藤森先生の作品に最初に触れたのは、店舗設計の西本くんが紹介してくれた1冊の本。
そのタイトルは「藤森照信の住居の原点(モダンリビング社)」。その本に数ページ、藤森氏の建築の写真が掲載されていた。

「これ、なんかすごい・・。本当にあるのー?」

そう思うくらい、どこかジブリっぽく、不思議な国に存在するような建物だった。
(後で知ったのだが、宮崎駿さんも熱愛する建築家でジブリ作品への監修もしている。)

実際に見てみたい。
そう思って最初に向かったのは、長野県。
藤森氏の故郷でもあり、代表的な建築がある。

はじめて生で見た彼の作品は、長野県茅野市宮川にある茶室「高過庵」。
何が高過ぎなのかというと、茶室そのものの高さが、なんと6mもあるのだ。
茶室が2本の栗の木の上に可愛く存在していた。
そして、この作品はアメリカのTime誌の「世界でもっとも危険な建物トップ10」に選ばれているそうだ。

「藤森さんって、頭がいかれてしまっているんだろうな・・・。」

建築からその作者にここまで興味をもったことはなかった。
彼のことをもっと調べたいし、
いろんな作品を見てみたいという欲望にかられ、
続いて、もう一つの建築作品、浜松市にある秋野不矩美術館を訪れた。

長方形の左右にかわいい三角屋根がついた家のような建物。
館内には柱や梁がむきだしで、中にある絵画を引き立てつつ、高め合っている印象があった。
この美術館のベランダで外を眺めると、緑と太陽の光がいっぱい飛び込んできて、
柱に触れるとまた栗の木の温もりを感じた。

私の藤森熱は冷めず、その数ヶ月後、藤森建築の最大級の作品、近江八幡の「ラコリーナ」を訪れた。

滋賀県近江八幡市にある「ラ・コリーナ近江八幡」は、和菓子「たねや」と
洋菓子の「CLUB HARIE(クラブハリエ)」を展開する菓子メーカー「たねやグループ」の拠点。
水田や棚田、畑などが広がる約35,000坪の敷地に、本社「銅屋根」やメインショップ「草屋根」、
カステラショップ「栗百」、そして「草回廊」が建つ。
これらの建築だけでなく、水田や棚田も藤森氏によりデザインされたもの。

訪れた瞬間、走ってエントランスに行ってしまったほど、
人の気持ちを高揚させる雄大さと、ゲストを迎え入れるウェルカム感に溢れていた。

構造には鉄筋コンクリートなど現代的な素材や技術を用いながら、
店先にはわらや、栗の木などの自然素材が多く使われている。

中に入ると「おいしそうなバームクーヘンがある!!」
2階にあるカフェに向かう途中、階段には、炭が壁いっぱいに打たれていた。
なんとそれは、後から知ったのだが、スタッフさんたちがみんなで手作業でやったらしいと後から知った。
座る椅子、手すりなど、ガラスや金属、アイアンなどの部品は全て手加工が施されていて、
人が丁寧に作った証拠が山ほどあった。

「素敵すぎる・・・。いつか私たちのお店もこんな風にできたらいいなあ・・。」

私たちもこれまで、素人ながら、起業した第1号のお店から38店舗に増えるまで、
「自分たちで作れる部分は自分たちで」という精神で店舗作りを行ってきた。
木材選びから、加工、床貼り、棚作りなど、お客様が取りやすい高さやバッグが喜ぶ
空間を自分たちで模索してきた。

だからこそ、同じ自然素材を使いながらも、入ってくる人たち、
自分自身の気持ちをここまで感動させてくれた藤森氏の建築に、
仕事として関わることができたら、という無謀な欲望が芽生えていった。

もしかしたらスタッフによっては「個性がありすぎる」と言うだろうか。

一瞬、そう思ったが、デザイナーである私自身がここまで彼の建築に惹かれている理由は明確だった。
「素材が生かされいる」どの作品にも感じたこと。

そして、もう一つは、「手仕事」が押し付けがましくなく、
ユーモアとキュートさをもって、人間をお迎えしてくれている点だ。

会社に戻り、西本くんと話した。
「藤森さんがお店のデザインに関わってくれたらすっごい面白いよねえ。」

「はい。雰囲気が、特に洋服のお店は、とっても合いそう。木材の使い方もとても参考になりますね。」
そんな話を事務所で、夢物語のように語っていたのだった。

……………………

<次回のブログは、明日12時ごろに更新予定です。>

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